寝ても覚めても学校のこと。

学校経営に関するニュースを採り上げ、私見(コメント)を付してお届けしております。

思い出話 その①

教育関連のニュース検索をしている時に、
ふと自分が卒業した小学校のホームページはあるのかと気になり、
検索してみました。
すると、ちゃんとありました。
とても懐かしい、正門やグラウンドにあった大きなくすの木の写真とともに。
この大きなくすの木は、私の記憶が確かならば小学校が出来たときからあったもので、
現在の場所に移転した時も植えかえたそうです。
今年の10月で創立139年という歴史のある小学校で、
くすの木はその歴史をずっと見守ってきた、この小学校の象徴です。
学校だよりのタイトルも『くすのき』となっていました。


さて、その小学校で私が5・6年生の時の担任だった先生のお話をしようと思います。
その先生は女性の先生で、私の年代のお母さんぐらいのお歳です。
その先生は、「厳しい・怖い」というイメージをみんなが持っていたため、
5年生のクラス替えで担任だとわかった時は、とても嫌でした。
実際には、イメージ通りに厳しくて怖い時もありましたが、
優しい時も当然ありました。


とても記憶に残っていることがあります。
ある日、授業中に先生が突然怒り出します。
もちろん理由があるのですが、私達生徒は始めはさっぱりわかりません。
ただ、先生が怒っているのが怖くて、みんな黙って先生の話を聞いています。
先生は、怒っている理由は言いません。
それを私達に考えさせ、解決させるのです。
「私達は何をしたのか」
「何がいけなかったのか」
「それからどうすればいいのか」…
通常の授業が話し合いの時間に変わります。解決するまでずっと続きます。
小学5・6年生で、それらを考えて解決し、
先生に認めてもらうのは容易ではありませんでした。
でも、解決した時の達成感というか、先生の怒りが消えたという安堵感なのか、
何事もなかったかのように授業が再開されると、
なんだか清々しさを感じていたような気がします。


そういう教育を受けた影響なのか、
私は物事を深く考える癖がついたように思います。
「本当にこれでいいのか」
「このまま進んで大丈夫か」
「本当に大丈夫か」
周りからすると鬱陶しいったらありゃしない!!
でも一瞬で「ま、いっか!」と、あっさり諦める面もあったりします…。


その先生は他にも、授業をやめて「好きな人の名前とその理由」を
全員が発表する、という時間も定期的に作っていました。
みんな恥ずかしがりながらも嫌な顔はせずに、
ほとんどの人が正直に発表しました。
みんなの楽しみの一つであったと思います。


最近のニュースなどを見ていると、
今このような事をしていたら大問題になっていそうな気がしますが、
私達にとっては何よりいい思い出で、本当にいい先生だったと思っています。


昨年4月の『くすのき』を見ましたら、その先生のお名前があり、
別の小学校へ転任されたとのことでした。
私達が卒業したあとにも別の小学校に転任したという噂を聞いていたので、
いつからか戻られていて、そしてまた転任されたようです。
転任先の小学校の学校だよりを見てみると、
4年生の担任の中にお名前がありました。
何だか嬉しくなりました。
定年に近いお歳だと思うのですが、やり方は違っても、
いつまでも「厳しくて怖くて、優しい先生」であられることを願います。