寝ても覚めても学校のこと。

学校経営に関するニュースを採り上げ、私見(コメント)を付してお届けしております。

今後の青少年の体験活動の推進について

まだ日が長い季節のこと。


太陽が沈みかけた頃に帰宅すると、マンションの出入口付近で、
小学生でしょうか、2人の男の子が懸命にバットを振っていました。
見れば、その2人のお父さんらしき人がそばに立って、どうやら
素振りの技術指導をされているようです。


うち1人の子は、泣きながらバットを振っていました。
お父さんの指導が厳しいのでしょうか。
それでも歯を食いしばり、懸命にバットを振る。
お父さんもそれを包むように見守る。
なかなか良い光景だな、と思いつつ、
マンションの入口くらいしか素振りの場所がないという現実を
少し寂しく直視していた私です。


文部科学省のHPに、「今後の青少年の体験活動の推進について」と題する答申が掲載されています↓
今後の青少年の体験活動の推進について(答申)

この答申の中で、
・自然の中で遊んだことや自然観察をしたことがある児童生徒の方が、理科の平均正答率が高かった
・自然の中での集団宿泊活動を長い日数行った小学校の方が、国語・算数の主に
 「活用」に関する問題の平均正答率が高い傾向がみられた
 (個人的には、これはかなり微妙な結果でしたが…)
・クラブ活動などの様々な学校の活動が行われているほど読解力の得点が高かった
といったことが挙げられ、体験活動が基礎学力の増強にもプラスの影響を及ぼすとの結論を
導いているように感じました。


自分が仕事を通じて強く感じる事柄の一つに、
「現場を知ること」の重要性
が挙げられます。


「現場」を知らずに、机上でいろいろ考えたところで、それは
「部分」でしかなく、「浅瀬」でしかないと思うことが多くあります。
やはり「全体」「深み」を知ってこそ、実行可能かつ効果的なアイディアが生まれるのではないか、と。


そして、子供たちにとっての現場、それが野外活動なのかな、とも思います。
ゲンゴロウがどんなところに住んでいるのか、火はどうやって起きるのか、そして
他人とどう接すると傷つけ、傷つくのか…
そういったことが学べる「現場」がたくさん存在することが、
子供たちの健やかな成長につながるのではないかと思います。


何もかもを学校が背負う必要はないと、個人的には思っていますが、
一方で、このような学習環境づくりに、学校として何ができるかを考え、実行していくことは
大切なことなのかもしれませんね。
(文責:吉田)