寝ても覚めても学校のこと。

学校経営に関するニュースを採り上げ、私見(コメント)を付してお届けしております。

病院と学校の共通点

3月11日。特別な日を迎えております。
1月17日と並んで、日付を聞いただけで胸に突き刺さる何かを感じる日です。


さて先週土曜日、ある病院の職員さん向けに研修会をさせていただきました。
テーマは「会議力」。
会議をよりよくするための技術的なコツ、そして心構えについて、受講された皆さんと一緒に考えを深めてきました。


私自身、仕事のうちの多くの時間を学校というフィールドで使っているため、
病院という環境は新鮮で、気付きもたくさんありました。

が、その一方で、以前から強く感じていることである
「学校という業界は、病院という業界とよく似た道を歩んでいる」
ということについても、改めて意を強くしました。


学校と病院の共通点として最も特徴的なことは、
本業と呼ばれるサービス提供の現場と、それを支える事務部門の間には、
「上下」に近いほどの隔たりがあることが多い、ということではないかと思います。
経営という観点からすればそれは否定したくなる要素でもあるのですが、
残念なことに、現実はそうなっていることが多いと言わざるを得ません。


そして、同じく経営という観点からすると看過できないこととして、
その存在の社会性とは裏腹に、競争原理が強まっていっている、ということが挙げられます。


病院も以前は競争とは無縁の存在だった、と言っていいでしょう。
が、現在は完全に競争社会。倒産、破綻する病院も珍しくありません。
また、自らがいかに独自化するのか、つまり他との違いは何なのかについて、
考え、発見し、その独自要素を強めていくことの必要性が広く認知されるに至ったように感じています。

そして、現時点の学校は、病院に比べると競争原理は強くはないものの、時代はそちらに流れつつあります。
自らの永続性が担保された時代は、数年前に終焉を迎えた、と私は感じています。
生き残っていくために、変化すべきことと変化すべきでないことを峻別し、その目標に向かって
計画的に歩んでいくことの重要性は、学校においても加速度的に高まっているのです。


私の活動理念であるところの
「母校は永遠に存在せねばならない」
ということの実現には、何より『計画経営』が必要です。

事実、病院においても、それまでとの変化に気付くのが遅れ、無計画な経営を続けてしまったことで
大きなツケを払うことになった…というケースは枚挙にいとまがありません。
他業界とはいえ、病院の動向は学校の未来を占う貴重な教材であることに間違いはないでしょう。

(文責:吉田)