寝ても覚めても学校のこと。

学校経営に関するニュースを採り上げ、私見(コメント)を付してお届けしております。

教諭の請求を棄却 保護者クレーム訴訟

花粉症の方々、心よりお見舞い申し上げます。
この事務所でも鼻の鳴る音(?)が響き渡っています。


さて、今日は新聞のニュースからお届けします。

教諭の請求を棄却 保護者クレーム訴訟
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再三のクレームに悩む学校関係者は多くいらっしゃることと思います。
実際、度を超えたクレームを受けられた先生からお話を伺ったこともありますが、
親の愛情が歪んだ形で表現されてしまうのかと思うと、背筋が寒くなることすらあるのが現実です。

そんな中でこの判決。
訴えた教員が少し気の毒にも思えますが、一方で裁判になじみにくい問題であるということも感じます。
判決でも「教育現場の問題で、学校や市教委が保護者を交えて話し合いで解決するのが望ましい」と指摘しているとのこと。
それが妥当なのかも、とも思います。


がその一方で、考えるべき要素にも気付きます。


ひとつは、「公立の場合には教育委員会という機関が存在するが、私学の場合は…?」という点。
もうひとつは、「教職員がさらされる脅威を裁判で守れないとすれば、どのような方法で守るべきなのか?」という点。
この両者は、私学における『機関設計』という、組織上の課題を浮き彫りにします。


例えば一般企業においては、ある担当者が受けたクレームが度を超えていれば上司に回し、
それでも無理ならクレーム担当部署に回す。

こういったことが現実的な対応だと考えられるわけですが、学校の場合はどうか。

例えば教員が受けきれないクレームを上司である教頭、校長に回し、
それでも無理なら教育委員会に回す。これが公立校だろうと推察されます。

が私学の場合は各校完結型。どこまで行っても私学自身が受け止めねばなりません。

が、私学の中に『お客様相談窓口』があるかと言えば、大学法人であればいざ知らず、
高等学校法人をはじめとする規模の小さい学校にはそのようなセクションを置く余裕はないでしょう。

ただ、このような事態はどの学校においても発生するリスクが高まっていると考えられます。

とすれば、私学は組織として、このようなクレームに対応し、また教職員が被るリスクのある精神的苦痛を
防ぎ、また和らげることが求められているのではないでしょうか。
そして私はこの「組織として」という言葉に、特に力を込めたいと思うのです。


私学における望ましい組織とは、機関設計とはとはどんなものなのか。
少なくとも、これまで言われてきた「なべぶた」という形では、現代の学校運営は難しいと感じています。
その解を探すことが、それぞれの学校に必要な将来構想ということになると思っています。

(文責:吉田)


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