寝ても覚めても学校のこと。

学校経営に関するニュースを採り上げ、私見(コメント)を付してお届けしております。

就職内定率:大卒75% 2年連続上昇

1月も下旬に入って、早くも時の経つスピードに戸惑っている吉田がお送りいたします。


先週末、文部科学、厚生労働両省から、「平成23年度大学等卒業予定者の就職内定状況」、
いわゆる「就職内定率」が発表されました
毎日jp(毎日新聞)


今春卒業予定の大学生の昨年12月1日現在の就職内定率は75%。
前年同期比3.1ポイント増、そして過去最低だった10年の68.8%から2年連続の増と、
冷え込んでいた就職状況が少し改善された様子が伺え、それ自体は喜ばしく受け止めています。


一方、ここで紹介されている「就職内定率」を算出するための計算式は「就職内定者÷就職希望者」。
内定率が下がっているということは就職している人数も減少しているのだろう、と思いがちですが、
実は反対に「増えている」のが現実。


ある報告によると、就職者数はバブル景気前夜の1985年卒が288,272人だったのに対して、
2010年卒は329,085人と、1割以上増えているとされています
大学タイムズ「就職内定率ではわからない本当の大学生就職戦線の現実」を参照しました)。
つまり、先ほどの数式で言えば、分子は増えているものの、分母である「就職希望者」、
さらに言えば「大学生数」そのものがそれ以上に増えているからこそ、率が悪化していることが見てとれます。


就職先としての事業体が無尽蔵に採用できるわけではないことからしても、
大学生自身が卒業時にどんな力を身に付けているのか、という観点を避けるわけにはいかないでしょう。
大学、そして高校も、社会人として自信を持って送り出せる人材の育成に、これまで以上に励む必要があるのかもしれません。


と同時に、就職先として大企業やネームバリューのある企業だけを求めるのではなく、
より広く選択肢を持てるような取組が、学校はじめ社会全体に必要である気がします。